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中嶋常幸「力頼みのゴルフに一抹の不安」の感想

中嶋常幸「力頼みのゴルフに一抹の不安」の感想


日本経済新聞に中嶋常幸氏の「力頼みに一抹の不安」という記事が掲載されました。パワー全盛のゴルフについて考えさせられる記事でした。

(日本経済新聞10/5/25から引用、抜粋)
今月初めの中日クラウンズ(名古屋GC和合)で、18歳の石川遼選手がツアー新となる「58」の快スコアをたたきだした。首位と6打差あったから出たともいえるが、51年の歴史ある大会で一気に3打もコース記録を更新したのはすごいことだ。

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同週のクウェイルホロー選手権ではロリー・マキロイ(英国)が最終日に10アンダーのコース記録で米ツアー初勝利を飾った。20歳での優勝は、タイガー・ウッズ以来だという。
翌週にはマスターズ史上最年少の16歳で予選突破したマテオ・マナセロ(17、イタリア)が欧州ツアーでプロデビュー。ほかにも有望な若手が次々に現れている。
彼らの「カリスマ」はウッズだ。超攻撃的なプレーで、パワーの優位性を存分に示し、10代、20代の選手に多大な影響を与えている。
オーガスタの3番(パー4)の攻略法などは、その典型だろう。かつては左バンカーにつかまらないように刻んだり、フェアウェー右サイドを狙ったのに、タイガー登場以降はバンカーを越えていく選手が続々。
これまでとはまるで違うエリアから第2打を打つという現象が、どのコースでも起こっている。
和合の16番(パー4)の石川選手の攻め方もそう。最終日も林越えで1オンを狙った。タイガーがそうするように、越えられる障害物なら当然のように越えていく。
我らがヒーローはジャック・ニクラウス。距離の歩測を取り入れ、パー4の第1打を2番アイアンやフェアウェーウッドで刻むことも選択肢として定着させた。
パワフルかつ緻密なゴルフでメジャー18勝をマーク。かつてのボビー・ジョーンズやバイロン・ネルソンらのようにニクラウスも今の若者にとってはもはや「歴史上の人物」かもしれないが、先人のプレーや名勝負には値千金の学習材料がひそんでいるはずだ。
パワーゴルフ全盛時代の選手たちはテクノロジーの恩恵もたっぷり享受している。用具開発の進歩はめざましく、シニアでも300ヤード飛ばせる。
もしニクラウスが全盛期に450ccヘッド、新素材シャフトで打ったとしたら、どこまでかっ飛ばしただろうか。
ニクラウスら「ビッグ3」の時代よりも、欧米ツアーのトップ選手はさらに大型化している。身長185から190センチはざら。それに比べて日本勢は背が低い。
小さくて飛ばなくても勝てるのがゴルフの奥深さ、魅力ではあるが、将来を考えると一抹の不安を感じる。

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ゴルフを変えたゴルファーたち

石川遼の58というスコアにはびっくりしました。石川は攻撃ゴルフをモットーにしているので、やはり好調時とそうでないときとの差がありますが、波に乗っているときはやはりすごいです。

さて、記事によると海外でも若手の有望選手が活躍しているんですね。マナセロ選手は16歳でマスターズ予選通過ですか。恐れ入ります。

タイガー・ウッズの登場はゴルフを一変させました。彼は体を鍛え上げ、抜群の飛距離を誇るショットを放ち、メジャー大会で何度も勝利しました。

私もタイガー・ウッズが大好きで、彼の豪快なドライバーショットや、林の中からインテンショナルショットでグリーンにオンさせるなどの技には何度も魅せられました。

ただ、やはりパワーゴルフ一辺倒でよいのかな、という疑問は感じます。ゴルフが面白いのは、そこにハザードがあるからです。

ハザードが効かなくなる

上記の記事にあるように、例えばバンカーがあればそれの手前に落として刻んだり(レイアップ)、あるいはそれと逆の側に打っていく、というような戦略が生まれます。

ところが、飛距離を生かしてそのバンカーを越えてしまえば確かにスコアでは有利ですが、そのバンカーの存在意義がなくなってしまいます。

ということはプロのゴルフを観ているギャラリーや視聴者も、プレイヤーがどんな戦略を練ってどこから攻めてくるかという点を楽しめません。

例えばバンカーやラフ、池などのハザードがないゴルフコースは面白いでしょうか。ラウンドする人も、それを観ている人もまったく面白くないと思います。

しかし、パワー一辺倒の障害物を越えていくスタイルのゴルフは、そのハザードがないゴルフに近づいている気がします。

もちろん「飛ばし」がゴルフの魅力であることは間違いありませんが、飛ばし一辺倒でなく、ハザードを避けていく正確なショットや戦略、またハザードに入れてしまったときのみごとなリカバリーも私は見たいと思います。

パワーが変えたゴルフの姿

また、こうしたパワーゴルフの隆盛に伴って、多くのゴルフ場がコースの改修を余儀なくされています。オーガスタもコース全体を長くして、ハザードの位置を変えています。

興味深いのは、パワー全盛時代の火付け役であるタイガー・ウッズも、クラブなどの進化によってみんなが飛ばしすぎているのはおかしいと以前に主張していたことです。

タイガーも、みんなが飛ばしてハザードを無効にしてしまえば、ゴルフが面白くなくなってしまうと考えたのではないでしょうか。

こうした流れを受けて、最近ではクラブに規制がされて、あまりにも飛ばすクラブはプロの試合では使えなくなりました。これはパワー以外のゴルフの魅力を取り戻すために歓迎すべきことだと思います。

私は飛距離競争にはあまり興味がありません。せっかくプロの試合を観るのだったら、どれだけ飛ばすということよりも、刻みなどのコース戦略やリカバリーショットに注目します。

ゴルフを面白くするには

そこで、もっと飛距離以外の要素が重要になるようなコース作りを日本でもして欲しいと思います。具体的には、日本のコースはアメリカのコースに比べてラフが浅いです。

そのため、もっとラフを深くしたらもっと試合が面白くなるのではないか、と思います。こうすれば、飛ばしを狙ってうまく行けば圧倒的に有利だが、少しでも曲げてしまえば深いラフにつかまって不利になってしまう、という状況が生まれるからです。

ただ、深いラフは選手の手首に負担がかかるのが難しいところですが、少なくとも今より少し深いラフが増えたら、もっとゴルフが面白くなると思います。

例えば全英オープンでは、すり鉢状のポッドバンカーやリンクスコースならではの強風、フェアウェーの真ん中にあるラフというか茂みなどが選手を苦しめます。そのため、観ているこちら側もハラハラしますし、とても楽しめます。

ポッドバンカーに入れてしまえばどんなに飛距離の出る選手でも出すだけですし、強風を避けるためにパターで100ヤード以上も転がすというテクニックを見ることもできます。

タイガーが茂みに打ち込んでアンプレヤブルを宣言するような場面をもっと見たいものです。こうした試合の方が盛り上がると思うのです。

記事にあるような若手の台頭は、やはり若手の方がパワー面では有利だからだと思います。しかし、パワーだけで勝てるゴルフではなく、戦略やリカバリー能力、小技などベテラン選手の経験が光るような試合をもっと見たいです。

中嶋さんは海外の選手の体格がますます大きくなる中で、日本の選手が今後も活躍できるかと心配されています。

私も同感ですが、ぜひ日本の選手にはパワー以外の面を磨いて海外の選手をあっと言わせてほしいなと思いますし、またパワー以外の面がもっとクローズアップされるような試合を日本でも海外でもやってほしいです。

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