ナイスショットの確率を知ればスコアアップできる
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(「銀のゴルフ」から引用)
それは1年前! 「キャディさん残りはいくつ?」「ここは400以上あるミドルですからまだ190くらい残っています」
「じゃあスプーンで2オン狙えるな」「いやぁ中部さん、ゴルフってやっぱりショット次第ですねぇ!」
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そうでしょうか…私はショットよりむしろ…
(そのゴルファーは次のショットをOBしてしまう)
私はスコアメークの秘訣はショットよりむしろゲーム設計だと思います。(中略)言葉を換えて表現すれば、自分のナイスショットの確率を知ることです。
(中略)試しにこれから1年で自分のショットをメモしてみたらいかがですか? たとえば今日の場合はスプーンで右OBとか。
「そんなことしなくても自分のプレーは大体覚えてますよ! スプーンだって今日は調子が悪かったけど、ナイスショットすることも、ちゃんとあるんですから中部さん…」
1年後、同じコース、同じホール。「中部さん、あの時と同じナイスドライバーが打てましたよ!」
ナイスショットでした。さて…残り190ヤード、セカンドはどうしますか?
「スプーンは選びません!」(中略)「1年間統計を取ってみたんですよ。そしたら恐ろしいことにスプーンのナイスショットはわずか20分の1の確率だと判明したんです。残りはOBだったりチョロだったり…」
しかし多くのゴルファーは1年に1度あるかないかの”甘い記憶”を実力と勘違いしています。その結果、無謀なクラブ選びをして自らゲームを壊しているんです。
「中部さん私はもうそんな馬鹿なマネはしませんよ。ここからのセカンドは得意の6番アイアンで花道に…!」
(中略)メモは続けているんですね? 「ええ、6番アイアンで二重丸。キャリー145ヤードと書きました!」(引用終わり)
苦手クラブなのに
うーん、とうなってしまうほど、今回も内容の深いものでした。中部銀次郎さんのおっしゃることは、人生全般に通じるものがある、とよく思うのですが、今回もそうでした。
400ヤードのホールでティーショットが210ヤードほど飛べば、残り190ヤードをスプーン(3番ウッド)で打ちたいとほとんどのゴルファーが思うでしょう。
もちろん、スプーンに自信があり、実際に高い確率でナイスショットができれば全く問題ありません。
しかし、今回のプレーヤーのように、実はスプーンが苦手なのに、残り距離だけを考えてスプーンで攻めてしまえば、失敗が待っています。
中部さんのアドバイスを一言で言えば、「自分の実力を正しく把握して、無理はするな」ということでしょう。自分を客観視するのです。
これがなかなか難しいものです。誰しも自分の短所や欠点はあまり直視したくないものです。しかし、それではいつまで経っても無理な攻め方を繰り返してしまいます。
そこで、思い切って自分の真の実力を見極めよう、そのためにメモを1打ごとにとろうというわけです。
この記録をとるということは、とても大事だと思います。最近、レコーディング・ダイエットという方法が流行しました。これは、自分の食べたものをすべて記録するだけで痩せられるというものです。
なぜ記録するだけで良いかといいますと、そこから自分がいかにカロリーを摂り過ぎているかが判明するからです。
記録をとらないと、今日はどれだけカロリーを摂取したかがわかりません。一方、記録すれば、今日は3000キロカロリーというようにはっきりします。
記録をとって自分を客観視する
このように数字ではっきり食べ過ぎが分かれば、「じゃあ食べ物に気を付けないといけないな」という意識が生まれて、自然にダイエットになるというわけです。
今回のショットごとに記録を取るというのも、同じ効果があるはずです。記録をとれば、自分がどのクラブでどれだけナイスショットやミスをしているかが一目瞭然となります。
すると、20回に1回しかスプーンでナイスショットが打てないのに、距離があっているからとスプーンで打つという無茶はしなくなるはずです。
得意なクラブで
今回のプレーヤーは結局、得意の6番アイアンでセカンドを打ちました。これだともちろんグリーンに乗せることはできません。
しかし、得意なクラブですしスプーンより正確性のはるかに高いクラブですから、落としたいところに高確率で落とせるはずです。
そうすれば、第3打は距離の短いアプローチでピンに寄せることも可能です。その結果、1パットでパーが取れますし、2パットになってしまってもボギーで済むのです。
そして、彼はアイアンが得意なのですから、パー4やパー5ではバーディーが取れず、パーやボギーが多くなってしまっても、パー3ではバーディーやパーが多く取れるでしょう。
そうすれば、スコアはけっこうよいのではないでしょうか。全ホールボギーでも90、2ホールに1ホールの割合でボギーでも72+9で81が出せるのですから。
プロでもナイスショットは少ない
聞くところによると、プロゴルファーでもナイスショットは数回に1回くらいしか打てないそうです。それを考えれば、まぐれで出たナイスショットにとらわれて無理な攻め方をしてしまうのは、やはり無謀だと言わざるをえません。
ちなみにメモを取り始めた彼は、自分がスプーンがいかに苦手であるかを痛感して、スプーンの練習にいっそう励んだのではないでしょうか。
メモを取ることは、無理なコースマネジメントを是正するだけでなく、自分の苦手な点をあぶり出して、何を練習すればよいのかを教えてくれる効果もありそうです。
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