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インテンショナルボールを打つことを自分に禁じた中部銀次郎

インテンショナルボールを打つことを自分に禁じた中部銀次郎


(「銀のゴルフ」から引用) ゴルフがそこそこのレベルに達すると、ゴルファーという生き物はさまざまな球筋を打ち分けたくなるものである。
「みてみて俺のドローボール!」「それよりこっちのパワーフェードはどうよ」

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インテンショナルなスライスやフック、高い球や低い球…実は私もそういう練習に魅了された一時期がありました。
だが中部(銀次郎)は長い競技生活を続けていくなかでふと、気がついたのである。
実際のラウンドでインテンショナルにボールを操る局面などほとんど皆無に近いことを…!
まれに木を巻いてグリーンを狙おうとした時など成功の確率はきわめて低く、逆にスコアを崩すきっかけにしかならなかったことを。
それらの経験の積み重ねから、中部はひとつの結論を導き出した。インテンショナルボールを操ることを”自分に禁じよう!”
(中略)中部のゴルフにとって一番大切なもの、それは1ストロークでも少なくラウンドすること。ならば少しでもミスの起こる可能性のあるショットは一切禁じてしまえばいい!
味も素っ気もないほど単純にして明快な論理こそが中部の強さであり、多くのゴルファーの盲点にもなっているのである。

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わざと球を曲げる

私も、インテンショナルショットは打たないように決めています。別に中部銀次郎さんの真似をしているのではありませんよ(笑)。中部さんとはレベルが違いすぎますし。

私も、アマチュアゴルファーがスコアメイクをするのに、インテンショナルは不要だと思ったからです。

ちなみにインテンショナルとは、球をわざと曲げるショットのことです。プロは結構使うときがあります。

どういう時に使うのでしょうか。例えば、左ドッグレッグのホールでティーショットを打つとき、わざとフェードボールを打つのです。

すると、球がコースなりに飛んでいくので、飛距離を稼げますし、フェアウェイの真ん中に近いところに球を置けるのです。

ミケルソンの戦術

以前、フィル・ミケルソンがマスターズで2本のドライバーをクラブバッグに入れていました。1本はいつも使っているものですが、もう一本はドローを打つためのものでした。

オーガスタでは右ドッグレッグが多かったので、彼にとってはドロー(右打ちにはフェード)を打つべき場合が多かったからです。

私はこの話を聞いたとき、やはりプロはやることが違うな、と感心しました。その作戦が的中して、彼はみごと優勝しました。

あるいは、目の前に障害物(スタイミー)があるときにもインテンショナルが使われます。引用文にある、木を巻くというのは邪魔な木の横に打ち出して、その後にボールを曲げてグリーンに乗せるか、近づけるということです。

プロはインテンショナルを多用する

プロの場合、1打に生活がかかっているといっても過言ではありません。そのため、例えばグリーンとの間に木があって邪魔なら、リスクを侵してでもインテンショナルで木を避けて、グリーンオンを狙うこともあるでしょう。

しかし、後述するように、アマチュアゴルファーにはこうした技術は無用だと思います。

次に、インテンショナルを使う場合として、アイアンで球を高く打ち出し、スピン量を多くして球を止めたい場合があります。

これは最近、ドローヒッターの石川遼選手も使うようになりました。私が見たときは、パー3のホールで、彼はわざとティーショットでスタンスをオープンにしていました。

スタンスをオープンにしてフェースの構えはスクエアにしておけば、インテンショナルスライスが打てるからです。

そして、遼くんは高弾道でバックスピンのかかるフェードを打ち、みごとピンそばにつけていました。

このように、プロの世界ではインテンショナルショットは多用されます。

私がプロのショットで一番すごい、と思ったのは、タイガー・ウッズの放ったものです。ウッズはティーショットを曲げて、フェアウェイ右側の林に打ち込んでしまいました。

確かグリーンまで200ヤードはあったと思います。普通なら出すだけですが、彼はグリーンとの間にわずかなすきまを見つけました。

ライは樹の根元で、おまけにつま先上がりという非常に難しいものです。しかし彼はそこからインテンショナルドローを打って、みごとにグリーンに乗せたのです。

アマチュアには必要ないと思う

300ヤードを超えるティーショットよりもはるかにすごい、と思いました。つま先上がりだったので、普通に打ってもドローは掛かったでしょうが、それでもどれだけ曲がるかを計算しないといけません。

このすごいショットは今でも私の脳裏に焼き付いており、自分もあんなかっこいいショットを打ちたいなと思ってしまいます。

しかし、そんな虚飾を払ってくれるのが中部銀次郎さんの単純明快な理論です。「あなたがしたいのは曲芸ですか、スコアアップですか」と問われているような気がします。

確かにゴルファーがゴルフをするのは、よいスコアを出したいからです。健康のため、飛ばしのためというのも立派な目的ですが、多くのプレーヤーは「よいスコアを出したい」と思っているのではないでしょうか。

それは、サッカーをする人はみなシュートを決めたいし、野球をする人はみなヒットを打ちたいのと同じです。

スコアアップをしたい以上、それを邪魔する要素は取り除く。まさに明快です。

プロのように膨大な練習時間を費やしても、インテンショナルボールは自在に操ることは非常に難しいです。それなのにアマチュアゴルファーがそれを操るというのはやはり無理だと思うのです。

そして、中部銀次郎さんはパワーフェードもハイドローも捨てました。もともとフェードヒッターだったので、それ一本にしたわけです。

こうすれば、目の前に木があっても、「インテンショナルで木を巻いてグリーンオンさせよう」という誘惑に駆られずに済みます。

自分の球筋で、木に当てないように例えばウェッジで上から越えていく、というような無理のない攻め方になるでしょう。

これは一見回り道に見えますが、それではインテンショナルを打ったらどれだけの確率で成功するのかを考えて見れば、安全策のほうが実は近道だと思えるのです。

最近、モノを片付けるのに「断捨離」という言葉が流行っているそうですね。実はものであれ、自分の執着であれ、捨てるということはとても難しいことです。

しかし、中部さんは合理的に考え、無駄なことはしない。中部さんのゴルフは「悟りのゴルフ」と称されますが、まさに捨てることの達人だったと感じます。

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